外国人材受け入れ前の社内決定事項

外国人材の採用では、募集を出す前に「誰が、何を、いつ確認するか」を決めることが出発点です。制度の確認を採用担当だけに集めず、人事、配属先の責任者、安全衛生の担当者が同じ表を見て判断できる状態をつくります。

まず社内会議で決める6項目

  • 求人票と雇用条件を書面で確定する担当者
  • 在留資格の確認と、実際に任せる仕事内容を照合する担当者
  • 生活・手続き・相談対応を担う担当者と不在時の代行者
  • 配属初日に伝える仕事の手順、職場ルール、日本語の指示
  • 安全衛生教育の方法、教材、理解確認の方法
  • 本人が困った時の相談先、連絡方法、社内共有の範囲

この6項目は、担当者名だけで終わらせず、期限、確認者、記録の置き場所まで一枚にまとめます。採用予定日から逆算し、募集開始前、内定時、入社前、初日の四つの時点で確認する運用にすると、担当の抜けを見つけやすくなります。

求人条件は「伝える内容」と「伝え方」を分けて決める

募集では、業務内容、契約期間、就業場所、労働時間・休日、賃金、労働・社会保険の事項を書面で明示することが求められています。

求人票を作る際は、職種名だけではなく、日々の作業、勤務する場所、交替勤務や残業の扱い、賃金の計算・支払方法を担当部署間でそろえます。候補者に説明する版と、社内で承認する版を同じ内容から作ると、説明の食い違いを減らせます。

国外居住者を募集する場合、渡航・帰国費用、住居確保などの詳細をあらかじめ明確にするよう努めることとされています。

費用や住居については、「会社負担の有無」「本人負担となる項目」「金額又は計算方法」「支払う時期」を決めます。説明には、本人が理解できる言語又は平易な日本語を使う担当と、最終確認をする担当を置きます。

在留資格と仕事内容は配属前に照合する

採用担当が候補者情報を集め、現場責任者が業務を決めるだけでは、確認が分かれます。社内では、在留資格の確認担当、仕事内容の確定担当、雇用条件の承認者を明確にし、三者が同じ業務一覧を確認する場を設けます。

業務一覧には、主な作業、使用する設備、勤務場所、単独で任せる時期、変更があり得る作業を書きます。採用後に仕事内容を変える必要が出た場合は、現場だけで進めず、同じ確認者へ戻す手順を決めておきます。特定技能の受け入れを検討する場合は、特定技能サービスで準備項目を整理する方法もあります。

支援は項目ごとに主担当と代行者を置く

特定技能1号の在留資格で働く外国人は、会社又は会社が頼んだ登録支援機関から支援を受けることができます。

特定技能1号の支援には、契約内容・仕事の説明、空港送迎、住居や生活契約の支援、日本のルールの説明、行政手続きへの同行、母国語での相談、定期面談などが含まれます。社内で担う項目と外部に任せる項目を分け、各項目に主担当、代行者、実施時期、完了確認者を割り当てます。

特定技能1号の10個の支援は、会社が外国人に行わなければならないものです。

委託する場合でも、現場からの連絡窓口まで外部任せにしないことが大切です。本人、現場責任者、人事、支援担当の連絡順を決め、面談や依頼の記録をどこに残すかを共有します。

配属初日の教育を作業単位で設計する

初日は会社案内だけで終わらせず、「何を見せるか」「誰が実演するか」「本人がどう理解を示すか」を作業ごとに決めます。たとえば、始業時の集合場所、服装、持ち場、報告の相手、休憩場所、禁止事項、異常時の停止・退避を順に確認します。

指示は短い言葉、写真、図、実演を組み合わせ、本人に実際にやってもらって確認します。現場で使う基本語や合図を一覧にし、変更があれば配属先が更新する担当を決めます。

安全衛生と相談経路を別々に見える化する

安全衛生教育は、母国語や視聴覚教材など、内容を理解できる方法で行うこととされています。

安全衛生の教育記録には、教育日、担当者、扱った危険、使用した教材、理解確認の方法を残します。危険を感じた時の停止、上司への報告、けがや体調不良時の連絡先は、掲示と口頭の両方で伝えます。

相談経路は、仕事の困りごと、安全上の不安、生活上の相談を受ける窓口として整理します。相談相手が直属上司だけでは話しにくい場合も想定し、人事又は支援担当へ直接連絡できる方法、受付後に誰が対応を決めるか、本人への返答期限を定めます。個別の準備事項を整理したい場合は、無料相談フォームで現状と確認したい点をまとめてください。

採用前の最終チェックリスト

  1. 求人条件の書面、説明用資料、社内承認版の内容が一致している。
  2. 在留資格の確認者、業務確定者、雇用条件の承認者が決まっている。
  3. 支援、生活立ち上げ、相談対応の主担当と代行者が決まっている。
  4. 初日の教育表、安全衛生教育の教材、理解確認の方法が用意されている。
  5. 緊急連絡先と通常の相談窓口が、本人と現場の双方に共有されている。
  6. 各確認の記録場所と、採用後に見直す会議の時期が決まっている。

採用決定を急ぐほど、決めていないことは現場に集まります。採用前の会議では、各項目を「担当未定」「準備中」「確認済み」に分け、未定のまま募集を進めない項目を経営者が決めると、受け入れ後の判断がぶれにくくなります。