シュエダゴンパゴダの基本情報
ヤンゴンで観光すると言ったら、シュエダゴンパゴダは外せません。ヤンゴン中心部にある小高い丘の上にそびえ立つヤンゴン最大の卒塔婆(パゴダ)です。高さは約110mもあり、遠くからでも見つけることができます。敬虔な仏教徒はバスの中からでもシュエダゴンパゴダに手を合わせます。ヤンゴン市街を一望できる地理的な利点からイギリス占領時には、要塞として利用されたこともあります。訪れると黄金の世界に魅了されること間違い無しで、信心深くない方でも引き締まる思いがするでしょう。境内では自由に写真を取ることができて、良い記念になります。
行き方はタクシーで「シュエダゴンパゴダ」といえば、市街地から3000ksほどでいけます。ゲートは東西南北それぞれにありどこから入っても構いません。階段を登る前に靴を脱ぐ必要があり、下駄箱にあずけるか、200ksほどで袋を買って持ち運びます。靴を預けた場合は数百ksほどのチップを渡すのが慣例です。
階段を登っていくと、X線による荷物検査があった後、外国人はカウンターにて10000ksを支払います。このときハーフパンツやミニスカートでヒザが出ていると、ロンジーというミャンマーの伝統衣装をレンタルしなければなりません。また、ノースリーブなどの肩を出した服装もNGです。
シュエダゴンパゴダの歴史 ~中には何がある?~
訪れた方が気になる点は、「一体この中には何があるの?」ということだと思います。それはミャンマーで伝わる神話を読むとわかります。
昔々、オッカラッパ国[現ヤンゴン]にて。
とある裕福な商人家には二人の息子がいて、兄タプサと弟バリカと言います。 兄弟はインドへ米を売りに行きました。 そのとき悟りを得た直後のゴータマブッダに出会い、記念にゴータマブッダの髪をもらったのです。 そしてゴータマはこう言いました。 「ティングッタラという三つの丘には、三種の神器がある。杖、水のいれもの、布である。すべて神の力がやどる神聖なものだ。三種の神器をすべて集め、この髪と一緒に奉納しなさい」 オカラッパ国に帰り、ティングッタラを村人総出で掘り起こし、三種の神器を見つけました。 たくさんの土砂を掘り起こしたので三つの丘は一つになっていました。 その丘に深さ181メートルの池を掘り、カラウェイという伝説の鳥を模した船を浮かべました。
船上には、タプサとパリカ兄弟の金の像、三種の神器、ゴータマブッダの髪が奉納されました。 そして蓋が閉じられ、その上に二〇メートルのパゴダが作られました。 当初の名前はティングッタラパゴダで、もちろん後にシュエダゴンパゴダと呼ばれるようになります。 おしまい |
シュエダゴンパゴダの見どころ
四体のブッダ
シュエダゴンパゴダには東西南北ぞれぞれに大層な仏像が安置されています。
なぜ四体だけ、格別の扱いを受けているのでしょうか。
そもそもブッダとは「悟りを得たもの」という意味で、日本人ではゴータマブッダしか知らない人が多いと思います。
実は、特別なブッダはゴータマブッダだけではなく、他に三人の先輩ブッダがいました。
初代はカクタンブッダといって、数え切れないくらい昔にはじめて悟りの境地に達した者です。東門にいて、三種の神器の「杖」の持ち主でもあります。
そしてそれから何兆年後、悟りを開いたものが二代目コナゴンブッダです。シュエダゴンパゴダでは南門にいて、三種の神器の「水のいれもの」の持ち主でした。
同様に何兆年後、三番目に悟りを得たのがカタパブッダ。シュエダゴンパゴダでは西門にいて、三種の神器の「布」の持ち主でした。
そして現在からわずか約2500年前に悟りを得たのがゴータマブッダなのです。
なお、実は未来に悟りを開く5代目もすでに決まっています。その名前はマイトレーヤ、日本語でいうと弥勒菩薩です。
観光の際は、東から時計回りに回ると、先輩順で参拝することができます。それぞれのブッダの顔も若干異なりますので、比べてみると面白いと思います。
曜日の動物
ミャンマーで「誕生日はいつ?」と聞くと「●曜日」と返されます。
何月何日であるかよりも、何曜日であるかが重要なのです。
自分が何曜日であるかは↓でチェックできます。
生まれた曜日によって、性格や恋人の相性が決まります。また、それぞれに動物が割り振られています。
シュエダゴンパゴダの各方角には動物が置いてあり、そこに年齢の数だけ水をかけてお祈りをします。
ぜひ自分の動物に参拝してみてください。
お祈りの仕方
シュエダゴンパゴダに行っても、どうお祈りしたらよいかわからない人がほとんどだと思います。
これが正しいと行った厳密な決まりはありませんが、一般的な方法を説明します。
まず正座をして手を合わせます。
そして土下座をするように、頭を地面につけます。
そして起き上がって、正座に戻ります。
ただこれを三回繰り返すだけです。
三回の意味は、三宝に帰依するということです。
三宝とは、仏(ブッダ)、法(仏教徒が守るべきルール)、僧(出家者)です。
また、なかには五回土下座をする人もいます。それは三宝に加えて、両親と先生にお礼をしているのです。
願い事を叶える石
先に紹介した四体のブッダの前には、石が置いてあることがあります。
それは願い事を叶えてくれる石です。
石の前に正座をして手を合わせて願い事をします。
そして「今だ!」と思ったときに、石を持ち上げてください。
その石が軽々と持ちが上がると願い事は叶います。
逆に重くて持ち上がらなければその願いは叶いません。
大きな鐘
シュエダゴンパゴダの境内には大きな鐘があります。
第一次イギリス-ビルマ戦争中に、イギリス軍は鐘を溶かして軍事に使うために盗みました。しかし輸送中にヤンゴン川に沈みました。不思議な力が働いてイギリス人はそれを引き上げることができませんでしたが、ビルマ人は引き上げることができ、シュエダゴンパゴダの元の場所に鐘を戻しました。
狛犬のような神獣
狛犬のような、沖縄のシーサーのような神獣がパゴダの入り口に鎮座しています。
この神獣について、こんな言い伝えがあります。
ライオンと王女の間に生まれた王子が生まれました。
その子が大きくなると、王宮の生活に憧れを持ち、父であるライオンを置いて王宮へ逃げました。 王宮まで探しに来たライオンを、息子は我を忘れて弓で撃ち抜いてしまいます。 父親を殺した王子は、ひどく悩みました。 占い師の助言をえて、パゴダの前にライオンの像を置いて毎日お祈りし、その苦悩から開放されました。 |
つまりこれは父親を殺してしまった王子の懺悔のために祀られています。
したがってこの像は家族の大事さを再認識するためにあるのです。