ミャンマー特定技能/技能実習人材の送出し・DX活用なら株式会社BKU

技能実習生の最低賃金と賃金相場|受入企業が押さえるべき法的根拠と実態

技能実習生制度は、日本の労働市場において重要な役割を果たしています。しかし、労働条件や賃金に関する問題が多く報告されており、その適正性について議論が続いています。特に、最低賃金の適用、時間外労働の割増賃金、そして賃金未払いの問題は、技能実習生の生活や日本国内の労働環境に大きな影響を及ぼしています。

技能実習生の雇用環境は、企業ごとに異なる実態を持ち、受け入れ企業の対応によって労働条件が大きく変わるケースも少なくありません。適正な雇用を実現するためには、技能実習制度の目的を正しく理解し、法令を遵守することが不可欠です。本記事では、技能実習生の労働条件や賃金に関する現状を整理し、最新のデータをもとに課題を明確にしたうえで、その改善策についても詳しく解説します。

目次

技能実習生の労働条件や賃金について

技能実習生の労働条件や賃金について

技能実習生を受け入れる際、多くの企業が「外国人だから特別な扱いができるのでは?」と誤解しがちです。しかし、日本の労働関連法規は国籍を問わず適用されるため、技能実習生にも日本人労働者と同等の労働条件を保障しなければなりません。労働基準法の各条項は技能実習生にも適用され、これに違反した場合、企業は行政処分の対象となるだけでなく、技能実習生の失踪や社会的信用の失墜といった深刻な問題に発展することもあります。

特に、労働契約の明示義務、最低賃金の順守、時間外労働の割増賃金の支払いといった基本的なルールは、技能実習生を適切に雇用するうえで不可欠です。これらを怠ると、監督機関による指導を受けるだけでなく、悪質な場合には罰則が科されることもあります。

ここでは、技能実習生の労働条件や賃金について、労働基準法の主要条項に沿って解説していきます。

【労働基準法第15条】技能実習生の労働条件について

労働基準法第15条は、使用者に対して労働条件の明示義務を課しています(※1)。技能実習生を雇用する場合も例外ではなく、労働契約締結時に労働条件を明示する必要があります。この明示は単なる口頭説明では不十分で、「労働契約書」や「雇用条件通知書」など書面による提示が求められます。特に技能実習生の場合、母国語または理解できる言語での説明が必須となり、この点を軽視すると後々のトラブルの原因となることがあります。

明示すべき労働条件には、賃金、労働時間、休日、休暇、勤務地、業務内容などが含まれます。これらの条件は技能実習計画にも記載されるため、計画と実際の労働条件に相違があれば、監理団体からの指摘対象となることも念頭に置くべきでしょう。また、労働条件通知書は技能実習生が理解できる言語で作成し、内容を十分に説明したうえで交付する必要があります。

技能実習生に対する労働条件の明示は、単なる法令遵守の問題ではなく、彼らの権利を保護するための重要な手続きです。言葉の壁があるからこそ、より丁寧な説明と明確な文書化が求められるのです。労働条件の不明確さは、後のトラブルや紛争の種になりかねません。こうした事態を防ぐためにも、入国前の段階から適切な情報提供と手続きを行うことが肝要だと言えるでしょう。

※1引用元:労働基準法第 15条第 1項 – 厚生労働省

【労働基準法第24条】技能実習生の賃金について

労働基準法第24条は、賃金支払いの5原則を定めています。これは「通貨払いの原則」「直接払いの原則」「全額払いの原則」「毎月1回以上払いの原則」「一定期日払いの原則」から成り、技能実習生に対する賃金支払いにもこれらの原則が適用されます(※2)。特に注意すべきは、賃金の全額を技能実習生本人に直接支払わなければならない点です。

実務上よく見られる誤りとして、寮費や光熱費などを賃金から天引きする行為があります。これは「全額払いの原則」に反する可能性が高く、労使協定の締結など適切な手続きを経ない限り認められません。また、技能実習生本人ではなく、送出し機関や監理団体へ賃金の一部を支払うといった行為も「直接払いの原則」に違反します。

技能実習生の場合、母国への送金ニーズが高いため、銀行口座への振込みが一般的です。この場合も、技能実習生本人名義の口座に振り込まなければなりません。第三者名義の口座への振込みは、たとえ技能実習生の同意があったとしても、「直接払いの原則」に反するため避けるべきです。

賃金支払いに関するトラブルは技能実習生の不満や失踪の主な原因となっています。適切な賃金管理は、単に法令を遵守するだけでなく、技能実習生との信頼関係構築のうえでも極めて重要です。賃金台帳の適切な管理と、給与明細の母国語での提供など、丁寧な対応を心がけましょう。

※2引用元:労働基準法第24条(賃金の支払)について

【労働基準法第37条】技能実習生の時間外・休日・深夜割増賃金について

労働基準法第37条では、時間外労働や休日労働、深夜労働を行った場合、企業が割増賃金を支払うことを義務付けています。この規定は技能実習生にも適用され、例外は認められていません(※3)。時間外労働については通常の賃金の25%以上、法定休日労働については35%以上、深夜労働(午後10時から午前5時まで)については25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。また、1か月60時間を超える時間外労働については、50%以上の割増率が適用されます。

残念ながら、技能実習生に対する割増賃金の不払いや過少支払いは頻繁に指摘される問題です。特に問題となるのは、固定残業代制度の不適切な運用や、「みなし残業」と称して実際の残業時間に関わらず一定額しか支払わないケースです。こうした取り扱いは、実労働時間に基づく適正な割増賃金を下回る場合、違法となる可能性が高いでしょう。

また、技能実習生の労働時間管理も重要な課題です。タイムカードなどによる客観的な労働時間記録を適切に保管し、実労働時間に基づいた割増賃金の計算を行うことが必要です。監理団体による定期的な監査では、こうした記録の確認も行われるため、適切な労働時間管理は受入企業のコンプライアンス体制構築において欠かせません。

技能実習生の時間外労働については、技能実習計画で定められた範囲内に収めることも重要です。過度な時間外労働は技能実習の本来の目的を損なうだけでなく、労働基準監督署の調査対象となるリスクも高めます。適正な労働時間管理と割増賃金の支払いは、受入企業の責務として認識しておくべきでしょう。

※3引用元:技能実習生の労働条件の確保・改善のために – 厚生労働省

【2024年7月最新】技能実習生への賃金支払に関する違反件数について

技能実習生への賃金支払に関する違反件数について

技能実習制度の運用において、賃金に関する法令違反は依然として深刻な課題となっています。厚生労働省や出入国在留管理庁の調査によると、2024年も賃金不払い、最低賃金違反、時間外労働の未払いなど、多くの問題が報告されています(※4)。こうした違反は、技能実習生の権利を侵害するだけでなく、制度全体の信頼性を揺るがす要因にもなり得ます。

特に、最低賃金を下回る賃金設定や、法定労働時間を超えた未払い残業は、企業の経営リスクを高める要素となります。これらの違反が発覚すれば、労働基準監督署の是正指導を受けるだけでなく、監理団体の指導強化や、最悪の場合は実習生の受け入れ停止処分に至る可能性もあります。

ここでは、最新の違反状況とその推移について詳しく解説します。違反の実態を正しく理解することは、受け入れ企業が同様の問題を未然に防ぐうえで不可欠です。適切な労務管理を行うことで、技能実習生が安心して働ける環境を整え、制度の信頼性を維持することが求められます。

※4引用元:厚生労働省「技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況」2024年7月

【直近5年間の推移】労働基準関係法の違反事業場数

令和5年に全国の労働基準監督署などにおいて、技能実習生を受け入れている事業場に対する監督指導が実施され、10,378事業場が調査対象となりました。その結果、73.3%にあたる7,602事業場で労働基準関係法令違反が認められました。この違反率は、過去5年間でほぼ横ばいの状況にあり、違反事業場の数は依然として高い水準を維持しています(※5)。

主な違反内容としては、使用する機械等の安全基準に関するもの(23.6%)、割増賃金の支払いに関するもの(16.5%)、健康診断結果についての医師からの意見聴取に関するもの(16.2%)が挙げられます(※6)。特に安全基準や割増賃金の不払いは、技能実習生の労働環境を改善するために、引き続き厳格な監督と指導が求められます。

※5,6引用元:技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況

技能実習生への賃金支払の違反件数は多い?

賃金に関する違反も依然として問題となっています。2020年から2024年にかけて、賃金不払いに関する違反は減少傾向にあるものの、約32.1%の事業場で依然として賃金関連の違反が認められています(※7)。特に、建設業や製造業においては、違反率が高く、中小企業での違反が目立っています。これは、人事や労務管理が十分でないことが原因とされており、企業は法令遵守を徹底し、労働環境の改善に取り組む必要があります。

また、技能実習生からの申告件数も増加しており、令和5年には141件が報告され、その大半が賃金や割増賃金の不払いに関するものでした。企業は、賃金支払いの透明性を確保し、実習生の生活を保障するために、適切な管理が求められています(※8)。

※7,8引用元:技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況

技能実習生の最低賃金はいくら?賃金ルールについて

技能実習生の最低賃金や賃金ルールについて

技能実習生を受け入れる際に、最も基本的で重要な知識のひとつが最低賃金に関するルールです。「外国人だから安く雇える」という誤解は、法令違反につながる要因となります。技能実習生も日本の労働法規の適用を受けるため、最低賃金を下回る賃金設定は明確な違法行為となります。

適正な賃金の支払いは、法令を遵守するだけでなく、技能実習生が安心して働ける環境を整え、企業の信頼性を高めるうえでも不可欠です。また、賃金に関するトラブルが発生すると、労働基準監督署の指導や、監理団体の介入を受ける可能性があり、企業の運営にも悪影響を及ぼしかねません。

ここでは、技能実習生に適用される最低賃金の仕組みや、時間外・休日労働に関する割増賃金のルールについて詳しく解説します。適切な賃金管理を行うことは、法的リスクの回避だけでなく、技能実習生の定着率向上にもつながります。

最低賃金法は技能実習生にも適用されるのか?

技能実習生も日本国内で働く労働者の一部として、最低賃金法の適用を受けます(※9)。これは、国籍に関係なく、日本国内で働くすべての労働者に適用される法令です。そのため、技能実習生に対して「外国人だから」「研修生だから」といった理由で最低賃金を下回る賃金設定を行うことは法令違反となります。

出入国在留管理庁も、最低賃金違反が発覚した場合には、技能実習計画の認定取消しや受入れ停止といった厳しい処分が科される可能性があることを強調しています。適切な賃金設定は、技能実習生の生活基盤を守るためにも重要な要素であり、法令順守が求められます。受け入れ企業は、技能実習生に対しても正当な報酬を支払う責任があり、最低賃金法を遵守することが企業の信頼性を守ることにもつながります。

※9引用元:厚生労働省「外国人技能実習生の最低賃金について」

【最低賃金法第4条】技能実習生の最低賃金について

最低賃金法第4条は、労働者が最低賃金の適用を受ける場合、雇用者はその最低賃金額以上の賃金を支払うことを義務付けています(※10)。この法的規定により、技能実習生に対しても、最低賃金を下回る賃金を支払うことは無効とされ、その部分については最低賃金額に相当する賃金を支払う義務が生じます。

実際、技能実習生の賃金が月給制であっても、その月給を時間当たりに換算して最低賃金を下回らないように確認する必要があります。例えば、月給16万円で月平均所定労働時間が170時間の場合、時間当たりの賃金は941円となりますが、これが地域の最低賃金を下回る場合は違法となります。

最低賃金は、基本給のほか、職務手当や技能手当などの毎月支払われる手当も含まれますが、残業手当や通勤手当などは最低賃金の対象外となります。このため、最低賃金をクリアする計算ではこれらの手当を除外する必要があります。

※10引用元:引用元:厚生労働省「最低賃金法」

週40時間・1日8時間越えの労働時間は原則禁止

技能実習生の労働時間についても、労働基準法の規定が全面的に適用されます。原則として、1日8時間、週40時間を超える労働は禁止されており、これを超えて労働させる場合は、労使協定(いわゆる36協定)の締結が必要です。この点は日本人労働者と全く同じ扱いとなります。36協定を締結した場合でも、時間外労働には上限があり、月45時間、年360時間が原則的な上限となります(※11)。

特別条項を設けた場合でも、年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内という上限を遵守する必要があります。ただし、技能実習生の場合、技能実習計画に定められた範囲内での技能習得が目的であるため、過度な時間外労働は技能実習の本旨に反するという点にも留意が必要です(※12)。

技能実習生に対する労働時間管理においては、客観的な記録に基づく管理が求められます。タイムカードやICカード、パソコンの使用時間記録など、客観的な方法で労働時間を記録し、これに基づいて賃金計算を行うことが重要です。「みなし労働時間」や実態と異なる労働時間の記録は、労働基準法違反となるリスクが高まります。

また、休憩時間の確保や週1日の法定休日の付与についても、労働基準法の規定通りに対応する必要があります。1日の労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければなりません。こうした基本的な労働条件を確保することは、技能実習生の健康維持や安全確保の観点からも欠かせません(※13)。

※11,12,13引用元:厚生労働省「技能実習生の労働条件の確保・改善のために 労働時間(労働基準法第32条、第34条、第35条ほか)」2012年3月

日本人同様、所得税・住民税は支払うこと

技能実習生も日本国内で得た所得に対しては、日本人同様に所得税や住民税が課税されます(※14)。受入企業は源泉徴収義務者として、技能実習生の給与から所得税を天引きし、納付する必要があります。この点を誤解し、「外国人だから課税されない」と判断してしまうケースがありますが、これは明らかな誤りです。

所得税の計算においては、給与所得控除や基礎控除、扶養控除などが適用されます。ただし、技能実習生の場合、母国に家族を残している場合でも、原則として扶養控除は適用されません。これは非居住者である家族を扶養親族とみなさないという税法上の取り扱いによるものです。この点は技能実習生本人にも十分に説明しておく必要があるでしょう。

住民税については、前年の所得に基づいて翌年度に課税されるという仕組みから、技能実習生の場合、帰国後に納税義務が生じるケースがあります。このような場合に備え、「特別徴収」による一括納付や「納税管理人」の設定など、適切な対応を検討することが望ましいでしょう。

日本と技能実習生の母国との間で租税条約が締結されている場合、二重課税を回避するための手続きが必要になることもあります。複雑な税務処理が必要な場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。適切な税務処理は、受入企業のコンプライアンス遵守において重要な要素の一つです。

※14引用元:外国人技能実習機構「税金の免除に関するお知らせ」

技能実習生の賃金が低い傾向になる理由は?

技能実習生の賃金が低い傾向になる理由

技能実習生の賃金は、日本人労働者と比較して低水準にとどまりがちな傾向があります。2024年の調査によると、技能実習生の平均月収は約17万円前後とされており、同業種・同職種の日本人労働者と比べると7~8割程度の水準にとどまるケースも少なくありません。このような賃金格差が生じる背景には、いくつかの構造的な要因が関係しています(※15)。

※15参考元:技能実習生の給与と労務管理|企業が知るべき重要ポイントを解説

その一因として、技能実習制度の目的が単なる労働力の確保ではなく、母国への技術移転を目的とした「研修」の側面を持つことが挙げられます。そのため、長期的な人材育成を前提とした給与体系が適用されにくいのが現状です。また、技能実習生は企業との雇用契約が期間限定であり、昇給や待遇改善の機会が限られていることも、賃金の伸び悩みにつながっています。

このような背景を理解することは、適正な賃金設定を考える上で重要な視点となります。ここでは、技能実習生の賃金が低い傾向にある主な理由について詳しく考察し、適切な対応策を検討していきます。

労働力不足解消を目的とした制度ではないから

技能実習制度(※16)は本来、「開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力」を目的としており、日本の人手不足解消を主眼としたものではありません。この制度の本質は「人材育成」にあり、労働力確保の手段ではないという建前があります。そのため、制度設計の段階で技能実習生の待遇改善よりも、技能移転の仕組みづくりに重点が置かれてきました。

この制度の本来の目的と実態のギャップが、賃金の低さにつながっている側面は否めません。実際には多くの受入企業が人手不足解消の手段として技能実習制度を活用しており、その結果、「労働力」としての側面が強調され、「研修生」としての側面が軽視される傾向があります。こうした制度の二面性が、賃金水準にも影響を与えているのです。

また、技能実習生の受入れには監理団体や送出し機関への手数料など、様々なコストが発生します。これらのコストを賃金に転嫁する形で、技能実習生の給与水準が押し下げられているという指摘もあります。制度の建前と実態のズレが、結果的に技能実習生の低賃金につながっているという構造的な問題が存在するのです。

一方で、近年は制度改革の動きも見られます。2024年の制度見直しでは、技能実習生の処遇改善や権利保護の強化が図られており、賃金面での改善も期待されています。受入企業としては、こうした制度の変化にも注意を払いながら、適切な賃金設定を心がけることが重要でしょう。

※16引用元:公益財団法人 国際人材協力機構「外国人技能実習制度とは」

短期間の雇用形態の為、長期育成を考慮していないから

技能実習制度は原則として最長5年間という期間限定の制度です(※17)。この短期的な雇用形態が、技能実習生の賃金水準に影響を与えているという側面があります。通常の従業員であれば、長期的な育成を前提に昇給や昇進のシステムが整備されていますが、技能実習生の場合、固定期間で帰国することが前提となるため、こうした長期的な人材育成の視点が欠けがちです。

多くの受入企業では、技能実習生に対して入国時の賃金水準をほぼそのまま維持し、在留期間を通じて大きな昇給を設定していないケースが見られます。第1号技能実習から第2号技能実習への移行時において、昇給率が5.0%以下であった実習実施者が8,070者と最も多く、第2号技能実習から第3号技能実習への移行時においては、昇給率が10.0%を超える実習実施者が4,502者と最も多かったとの報告があります(※18)。これは、技能実習生を「一時的な戦力」として位置づけ、長期的な人材投資の対象と見なしていないことの表れと言えるでしょう。

技能実習生自身も、日本での就労を一時的なものと捉え、母国での将来設計を優先する傾向があります。そのため、日本企業内でのキャリアアップよりも、短期間でより多くの収入を得ることに関心が向きがちです。この相互の「一時性」の認識が、賃金交渉や処遇改善の動きを鈍らせる要因となっています。

しかし、近年は特定技能制度の創設により、技能実習修了後も日本で就労を継続できる道が開かれました。こうした制度変更を踏まえ、技能実習生を将来的な人材として捉え直し、適切なキャリアパスと昇給制度を設計する企業も増えつつあります。長期的な視点での人材育成が、結果的に技能実習生の定着率向上と生産性向上につながる可能性も考慮すべきでしょう。

※17引用元:法務省「外国人技能実習制度について 」

※18引用元:外国人技能実習機構(OTIT)の「令和3年度における技能実習の状況について(概要)」

最低賃金以下で技能実習生を働かせるとどうなるの?

最低賃金以下で技能実習生を働かせるとどうなるのか

最低賃金を下回る賃金で技能実習生を雇用することは、企業にとって大きなリスクを伴います。法的に認められない低賃金での労働は労働基準法違反に該当し、企業は法的責任を問われることになります。違反が発覚すれば、監督機関からの指導や是正勧告を受けるだけでなく、場合によっては罰金や営業停止といった厳しい措置が取られる可能性もあります。

さらに、最低賃金を下回る賃金では、実習生が生活に困窮し、経済的に追い詰められることになりかねません。その結果、社会問題へと発展し、企業の評判や信頼にも大きな影響を及ぼす可能性があります。違法な賃金設定が公になれば、企業は社会的な非難を浴びることになり、人材確保にも悪影響が及ぶでしょう。

このようなリスクを避けるためにも、企業は法令を厳格に遵守し、公正な賃金を設定することが不可欠です。ここでは、最低賃金違反がもたらす具体的な影響について詳しく解説していきます。

最低賃金法以下の賃金は無条件で無効

最低賃金法第4条(※19)に基づき、最低賃金以下で働かせる賃金は無効とされ、その賃金部分は支払われなかったものとみなされます。企業が最低賃金を下回る賃金で労働契約を結んだ場合、その契約は法的に無効となり、実習生は最低賃金額を支払われる権利を有します。このため、企業は最低賃金を遵守しなければならず、違反した場合、未払い分の賃金を実習生に支払う義務が生じます。

さらに、企業は過去に支払った賃金の不足分を補償する責任を負うことになります。法令遵守を怠ることで、企業は追加的なコストを負うことになり、経済的、社会的にも深刻な問題を引き起こす可能性があります。このように、法令を守らない企業は、追加的なコストを負うことになり、経済的にも社会的にも深刻な問題を引き起こすことになります。

※19引用元:厚生労働省「最低賃金法」

賃金等の不支払いを起こすと、監理団体は技能実習生の受け入れを一定期間停止

賃金未払いが発覚した場合、監理団体は企業に対して一定期間、技能実習生の受け入れを停止することができます(※20)。この措置は、企業が労働基準法に違反していると認定された場合に適用されます。この受け入れ停止は、企業の経営に深刻な影響を与える可能性が高いです。たとえば、過去に不正な賃金支払いを受けた実習生がいた場合、受け入れ停止が命じられることがあり、企業は新たな実習生を受け入れられなくなります。

このような事態に陥ると、企業は労働力不足に悩むことになり、事業運営に支障をきたします。信頼を失った企業は、監理団体からの信頼回復が非常に難しく、その後の実習生受け入れを行うことはほぼ不可能になります。このような信頼の損失は、経済的な問題にとどまらず、企業のブランドや長期的な事業運営にまで悪影響を及ぼすため、賃金未払いは企業にとって深刻なリスクです。

※20引用元:外国人技能実習機構「行政処分等」

技能実習生の失踪に繋がる可能性が高まる

賃金未払いが続く、または低賃金で過剰な労働を強いられる場合、技能実習生は生活に困窮し、最終的には失踪する可能性が高まります(※21)。実習生が生活に困ると、過酷な労働環境から逃れる手段として失踪を選ぶことがあるため、企業にとってこれは非常に大きなリスクとなります。もし実習生が失踪した場合、企業は法的責任を問われ、その後の受け入れに影響が出ることになります。

また、実習生の失踪は企業の社会的信頼を大きく損なうため、事業運営に深刻な影響を与えます。さらに、実習生の失踪が社会問題として報道されることにより、企業の評判が低下し、長期的には取引先や顧客からの信頼も失われる可能性があります。したがって、企業は賃金支払いの適正化とともに、実習生が安心して働ける環境を提供することが不可欠です。

※21引用元:技能実習生の失踪者数の推移


実際の支払賃金はどうなの?|技能実習生の賃金相場と実態

実際の支払賃金はどうなの?技能実習生の賃金相場と実態

技能実習生に支払われる賃金は、地域や職種によって異なりますが、その平均額や実態を把握することは、企業が適正な賃金を設定するうえで欠かせません。実習生に適正な賃金を支払うことは、彼らの生活を支えるだけでなく、企業の信頼性を維持するためにも重要です。

法令に則った適正な賃金を設定することは、企業が労働基準を遵守している証となり、実習生が安心して働ける環境を整える基盤にもなります。特に、技能実習生は来日前に多額の費用を負担していることが多く、手取り額がさらに少なくなるケースも少なくありません。そのため、受け入れ企業はこうした背景を理解し、公正な賃金の支払いに努める必要があります。

ここでは、技能実習生が来日前に負担する費用の実態や、来日後に受け取る平均給与について詳しく解説していきます。

【国籍別】技能実習生来日前の費用総額

技能実習生が日本に来る前に支払う費用は、国別に異なります。例えば、送出機関に支払う費用の平均額は約54万2,311円であり、国別でその額は異なりますが、一般的には52万円以上となることが多いです(※22)。この金額には手数料、仲介料、教育費用などが含まれており、実習生は高額な費用を負担して日本に来ることがわかります。

また、約85%の実習生は送出機関に何らかの費用を支払っており、その平均額は52万1,065円です(※23)。一方、約11%は仲介者(送出機関以外)に支払った費用が平均33万5,378円となっています。さらに、約55%の実習生が来日前に借金をしており、その平均額は54万7,788円です(※24)。

これらの高額な負担を考慮すると、企業は技能実習生に対して適正な賃金を支払う責任があります。実習生が適切な報酬を受け取ることで、生活の安定を図り、その後の過剰な労働を防ぐことができます。

※22,23,24引用元:法務省「技能実習生に関する資料」

来日後の技能実習生の給与平均値は?

技能実習生の給与は、日本の最低賃金制度の適用を受けるものの、実際に受け取る給与は業種や地域によって差があります。例えば、農業や介護業界では、基本給が低めに設定されている一方、建設業や製造業では比較的高い賃金が支払われる傾向にあります。

厚生労働省の「令和5年外国人雇用実態調査」によれば、技能実習生(一般労働者)の平均給与額は約20万4,100円で、他の在留資格を持つ外国人労働者と比較すると低い水準にあります。「専門的・技術的分野」の在留資格を持つ労働者の平均給与は約28万5,900円、「特定技能」の在留資格を持つ労働者は約23万2,600円となっています(※25)。

また、技能実習生の給与は地域別最低賃金や特定(産業別)最低賃金を上回るように設定される必要があります。しかし、実際には日本人労働者よりも低い傾向が続いており、生活費や来日前の借金返済を考慮すると、十分な余裕があるとは言えません。そのため、一部の技能実習生はより高い収入を求めて、契約を途中で離脱し、非合法な形での労働を選択するケースも報告されています。

このような状況を改善するためには、技能実習生の給与水準の見直しや、必要経費の透明化、適正な労働環境の整備が求められています。特に、技能実習生自身が正確な情報を得られるようにすることが重要であり、政府や受け入れ機関のサポート強化が必要不可欠です。

※25引用元:厚生労働省「令和5年外国人雇用実態調査」


受け入れ企業が留意すべき|技能実習生の賃金設定ポイント

受け入れ企業が留意すべき技能実習生の賃金設定ポイント

技能実習生を受け入れる企業には、法令を遵守し、適切な賃金を設定する責任があります。正当な賃金を支払うことは、実習生の生活を守るだけでなく、企業にとっても法的リスクを回避するために欠かせません。最低賃金法の順守はもちろん、時間外労働の割増賃金や「同一労働同一賃金」の原則を適用することが求められます。

適正な労働環境を整えることで、実習生が安心して働けるだけでなく、企業の社会的信頼の向上にもつながります。法令を遵守することで、労働トラブルの発生を防ぎ、実習生の権利を適切に守ることが可能となるでしょう。また、企業の信用を維持するためには、賃金の管理や労働条件を明確にし、適正な報酬を確実に支払うことが重要です。

ここでは、最低賃金法、割増賃金、同一労働同一賃金に関するポイントを整理し、企業が適切な賃金管理を行うために必要な対策を解説します。

最低賃金法|最低賃金を順守する

最低賃金法を遵守し、地域ごとの最低賃金を確実に支払うことは、企業にとって最も重要な義務です(※26)。最低賃金を守ることで、企業は法的リスクを回避し、実習生が安心して生活できるよう支援することができます。また、最低賃金を下回ることなく支払うことによって、企業は社会的責任を果たし、実習生の労働環境を守ることができます。

適切な賃金支払いは、実習生の生活の安定を保障し、その結果、企業の信頼性を向上させます。賃金の支払いに関しては、企業内で明確なルールを設け、実習生に対して透明性を保つことが求められます。地域ごとに異なる最低賃金額を遵守することは、企業にとって重要な法的義務であり、実習生にとっては生活を支える大きな基盤です。

したがって、賃金の管理や支払い方法を徹底し、最低賃金以下で支払わないように管理を行うことが企業の責任です。

※26引用元:厚生労働省「最低賃金法」

労働基準法|割増賃金を支払う

企業が技能実習生に対して時間外労働や休日労働を指示する場合、労働基準法に基づき適切な割増賃金を支払う義務があります(※27)。

例えば、時間外労働には25%以上、深夜業(午後10時~午前5時)には25%以上、休日労働に対しては35%以上の割増賃金を支払わなければなりません(※28)。この規定を守ることで、実習生に対する公平な待遇が確保され、企業の社会的責任を果たすことができます。適切な割増賃金の支払いは、企業が労働法を遵守していることを示し、実習生の信頼を得るためにも欠かせない要素です。企業は労働時間を厳格に管理し、時間外労働や休日労働が発生した場合には、法定通りの割増賃金を適切に支払うことが求められます。

このように、労働基準法を順守することは企業の信頼性を高め、実習生にとって公正な労働環境を提供するために不可欠です。

※27,28引用元:厚生労働省「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」

同一労働同一賃金を順守する

技能実習生にも「同一労働同一賃金」の原則が適用されます(※29)。つまり、実習生が日本人労働者と同じ業務を行っている場合、賃金や待遇について差別をしてはならないということです。

企業は、この原則を守ることで、実習生に対して公正な賃金を支払い、同じ仕事に対して平等な待遇を提供することが求められます。この原則を守ることによって、企業は法令を遵守し、実習生の労働環境が公平であることを保証できます。また、同一労働同一賃金を順守することで、企業は社会的信頼を得ることができ、労働環境の改善にもつながります。

企業は、実習生に対して適切な報酬を支払い、同じ職務に対して不公平な差を設けないようにすることが重要です。このような対応を通じて、企業は法的な問題を避け、健全な労働環境を提供する責任を果たすことができます。

※29引用元:同一労働同一賃金特集ページ – 厚生労働省


【2025年3月時点】外国人技能実習制度 違反企業マップはまだ使えるのか?

外国人技能実習制度 違反企業マップはまだ使えるのか?

外国人技能実習生制度において、企業が法令を適切に遵守しているかを監視するため、「違反企業マップ」が活用されていました。このマップは、技能実習生に対する不適切な待遇や賃金未払い、過剰労働などの違反を行った企業を公開し、社会的な注意喚起を促す目的で運用されていたものです。

企業名を公表することで、他の企業に対する抑止力とし、実習生の労働環境を改善する狙いがありました。しかし、現在はこのマップの運用が停止されており、違反企業の監視は別の方法で行われています。違反企業の情報公開手法は、社会の状況や法的枠組みによって変化していくため、今後の監視体制にも注目が必要です。

ここでは、現在実施されている監視方法と、今後どのような形で違反企業の実態が明らかにされるのかについて解説していきます。

外国人技能実習制度 違反企業マップとは

外国人技能実習制度違反企業マップは、技能実習生に対して不正行為を行った企業の情報を地図上で可視化し、社会に警鐘を鳴らすためのツールとして使用されていました(※30)。このマップには、賃金未払い、労働時間の過剰、パワハラなどの重大な違反が含まれ、これらの違反が発覚した企業は、地図上にその企業名が表示されることになりました。

企業がどのような不正を行ったのかが明確に示されることで、他の企業に対して警告となり、社会全体の意識を高める役割を果たしていました。このマップは、労働環境改善を目指していた一方、企業に対しても透明性を促進する効果がありました。しかし、現在このツールは使用停止となり、その代替として他の方法で企業監視が行われている状況です。技能実習生の労働環境改善には、これらの監視方法の進化が重要です。

※30参考元:MEC事業協同組合

2025年3月時点|外国人技能実習制度 違反企業マップは現在使用できるのか?

2025年3月現在、外国人技能実習制度の違反企業マップは使用できない状態にあります。

現在、違反企業の情報提供には代替手段が取られており、出入国在留管理庁や労働基準監督署が関与し、企業の監督や処分が行われています。これらの機関は、企業が技能実習生に対して行った不正行為を調査し、適切な処置を講じることになります。今後は、これらの行政機関から発表される違反事例や罰則情報をもとに、企業の監視が行われることになるでしょう。

このように、違反企業に対する情報公開の方法は新たな監視体制に移行しており、企業の管理や指導が強化されると考えられます。

他に技能実習制度の違反企業を把握する方法

技能実習生を受け入れる企業の違反行為を把握するためには、出入国在留管理庁や外国人技能実習機構が公開する行政処分や違反に関する情報を確認することが重要です。これらの機関は、実習生の労働条件や待遇に関して違反が発覚した場合、その企業に対して処分を行い、その情報を公開することがあります。

例えば、企業名の公開や、事業停止、技能実習生の受け入れ停止など、さまざまな処置が取られます。このような情報は企業の監査や契約更新の際に参照され、企業の信頼性や社会的評価にも影響を与えることがあります。

企業は、自社の信用を守るために、これらの情報を常に把握し、法令遵守を徹底する必要があります。また、技能実習生が不正な待遇を受けないようにするためには、透明性を保ちつつ、常に適正な労働環境を提供することが求められます。


【受入企業側の問題】技能実習生の賃金トラブル事例

技能実習生の賃金トラブル事例

技能実習生を受け入れる企業にとって、賃金に関するトラブルは非常に深刻な問題です。賃金未払い、低賃金での長時間労働など、労働条件に関する違反が発生すると、企業に対して法的措置が取られる可能性があります。その結果、企業の信用や経営にも悪影響を及ぼすこととなります。

特に技能実習生が日本で働く環境で賃金に関して不正が発生すると、その企業は社会的信頼を失うばかりでなく、経営上のリスクも抱えることになります。ここでは、実際に発生した技能実習生に対する賃金トラブルの事例を紹介し、受け入れ企業が注意すべき点を解説します。賃金の問題は、労働法に基づく適切な取り扱いが求められるため、企業は慎重に対応する必要があります。

時給300円で月400時間労働|技能実習生の過酷な労働問題

ある企業では、技能実習生が時給300円という極めて低い賃金で、月400時間もの過酷な労働を強いられていた事例があります(※31)。このような労働条件は、労働基準法に明確に違反しており、技能実習制度の根幹を揺るがす深刻な問題です。特に、最低賃金を大幅に下回る水準での労働は、実習生の生活や健康を著しく脅かし、身体的・精神的な負担を強いることになります。

技能実習生は、劣悪な労働環境の中で適正な休息を取ることができず、健康を損なうリスクが高まります。さらに、生活費を賄うことが困難になり、食費や医療費を削るなど、過酷な状況を強いられるケースも少なくありません。その結果、追い詰められた実習生が、違法な労働環境から逃れようと失踪するケースも多発しており、社会問題としての深刻さが増しています(※32)。

企業側には、このような問題を未然に防ぐために、労働条件を適正に管理し、法令遵守を徹底することが強く求められます。適切な労働環境を提供しない企業は、労働基準法違反で罰則を受ける可能性があるだけでなく、社会的信用を失い、今後の外国人労働者の受け入れにも影響を及ぼす可能性があります。

また、監督機関の厳格なチェックと、第三者機関による監視体制の強化も不可欠です。技能実習制度が本来の目的を果たすためには、受け入れ企業だけでなく、監理団体や国が一体となって適正な労働環境の確保に取り組むことが必要です。過酷な労働環境が続くことは、技能実習生だけでなく、日本の労働市場全体の信頼性を損なう要因にもなりかねません。

※31参考元:朝日新聞2020年5月19日記事

※32参考元:東洋経済オンライン「時給400円」で働かされていた外国人の悲惨2018年11月15日記事

残業200時間で時給400円|未払い給料2年分の賃金トラブル

別の事例では、技能実習生が時給400円という著しく低い賃金で、月200時間もの残業を強いられ、さらに2年分の未払い給料が発生していたことが発覚しました(※33)。このような状況は、労働基準法に違反するだけでなく、技能実習生の生活を著しく圧迫し、精神的・肉体的な負担を増大させる深刻な問題です。

未払いの給料が長期間にわたる場合、実習生は生活費の確保が難しくなり、借金を余儀なくされることもあります。適正な労働対価を得られないことは、労働意欲を低下させ、制度全体への不信感を招く要因となります。このような賃金トラブルが頻発することで、日本の技能実習制度の信頼性が損なわれ、海外からの実習生の受け入れに影響を及ぼす可能性もあります。

企業側には、賃金の適正な支払いを徹底し、法令遵守を徹底する責務があります。特に、労働時間の管理や賃金支払いの透明性を確保し、未払いが発生しないようにすることが不可欠です。労働基準法では、労働者への賃金支払いを一定期日に行うことが義務付けられており、違反した場合には企業に対する行政指導や罰則が科される可能性があります。

また、監理団体や行政機関が技能実習生の労働環境を定期的に監査し、問題が発生した際に迅速に対応できる仕組みを整えることが重要です。技能実習制度が適切に運用されるためには、企業だけでなく、監理団体や行政機関が積極的に関与し、不正を防ぐための監視体制を強化することが求められます。

※33参考元:朝日新聞GLOBE+


受け入れ企業は技能実習生に適切な賃金を支払うこと

受け入れ企業は技能実習生に適切な賃金を支払うこと

技能実習生を受け入れる企業にとって、適正な賃金の支払いは法律を守るだけでなく、信頼関係を築くうえでも欠かせません。労働基準法や最低賃金法を遵守し、公正な賃金を支払うことで、実習生が安心して働ける環境が整い、企業の信用維持にもつながります。

給与が法的基準を満たしているか、定期的に確認することも大切です。長時間労働が続けば、実習生の健康を損なうだけでなく、企業にとってもリスクが生じるため、労働時間の管理には十分な注意が必要になります。

加えて、給与の支払いが遅れたり、不透明だったりすると、実習生の生活に影響が及びます。こうした問題が発覚すれば、監理団体や行政機関から指導を受ける可能性があり、最悪の場合、実習生の受け入れ自体が難しくなることも考えられます。

適正な賃金の支払いと健全な労働環境の確保は、実習生が技能を習得しやすくなるだけでなく、企業にとっても安定した運営につながります。法令を遵守し、公正な対応を心がけることが、双方にとって最善の選択といえるでしょう。